これはゲンドウ改造さる!の続きです。
ゲンドウがMADリツコの趣味とレイの希望により、性格が『優しく』改造されて1週間が経った。
ネルフに行くたびに優しくされるシンジ、体を気遣ったり、小遣いをくれたり、食事に誘ったりと今までのゲンドウとは違う接し方に戸惑って・・・・いや気持ち悪がっていた。
「・・・・・気持ち悪い」
ボカッ!
「イッタ〜〜〜!何するんだよアスカ」
「こらバカシンジ!それは私の台詞よ」
「台詞っていつ言うんだよ」
「劇場でよ!」
「劇場〜?」
「そうよ。世間を私の魅力に引かれるのよ」
「はいはい」
「流すな〜〜〜」
ゲシッ!
「グエッ!」
「フン!バカシンジのくせに、ちょっと脱線しちゃったわね。続きを見なさい」
ゲンドウ改造さる!!
学校、帰りのホームルーム時間、教室はこの後の計画(ようは遊び)で騒がしい。無論シンジ達もそうである。
「シンジ〜帰りにお好み焼きでも食いに行かへんか?」
「うん良いよ〜」
「ねえヒカリ、ここのパフェ美味しいんだって」
「へえ〜味見する必要があるわね」
と和気あいあいである。そんな最中、一枚のプリントがまわってきた。
「え〜明後日からの保護者を交えての進路相談です。皆さん帰ったら保護者の方に渡してください」
老教師は淡々と喋る、だが誰も聞いていない。そして学校が終わった。ちなみに第壱日目はシンジ、レイ、アスカの三人、チルドレンとしての配慮であろうか?
お好み焼き屋、三馬鹿トリオはできたてのお好み焼きを頬張っていた。関西人のトウジだけはご飯を注文している。
「なあトウジ、いつも思うんだけどお好み焼きにご飯って、合わないと思うんだけどな」
「何を言うんや。お好み焼きのタレで飯はいくらでも入るで!常識や!」
ガツガツと胃の中に詰めこむ、シンジとケンスケはその豪快さを呆然と見ていた。
「なあ明後日から進路相談だろ。どうする?」
「どうするって?何が?」
「何がって・・・シンジ〜親が来るだろ、成績の事を言われて当然悪い俺達三人、後で怒られるって・・・・ああ考えただけでもイヤになってくるよ」
「そうやな。ワシなんかゲンコが飛んでくるからな。シンジはそんな事は無いやろ?」
すでにご飯を三杯おかわりしているトウジ、まだまだ入りそうである。
「どうして?」
「どうしてって、オトンは忙しいやろ?来るのはミサトさんになる。はあ〜ワシも美人の保護者が欲しいのう」
「ああ、どうせ成績が悪くたって『お仕置きよ〜』でお仕置きされるんだろう?羨ましい奴だ」
勝手な妄想を始める二人、シンジは無視してお好み焼きを食べ続けた。
(そうか来るのは当然ミサトさんになるのかな?父さんはこれないのかな?・・・・・・こなくていいや)
普通なら実の親に来てもらいたいだろう。だが性格が変わったゲンドウに接するのは苦手で、進路相談の事は黙っておく事に決めた。
家に着いたシンジは少し休憩を取り、ぐうたらな同居人の為に夕食を作り始める。ミサトはまだ帰ってきておらず、アスカはリビングで寝転んでた。
(・・・・ミサトさんに来てもらおう)
野菜を炒めながら思った。
「たっだいま〜〜〜」
ミサト、早い帰宅。すぐさま台所、イヤ冷蔵庫へ直行。
「おかえりなさい・・・ってビールは夕食まで我慢してください」
「固い事言わないの〜」
「ダメです」
「シンちゃんのいけずう〜〜」
体をくねらせ懇願するミサト、トウジやケンスケが見たら鼻血ものだが、シンジにとっては迷惑である。
「はいはい、それでミサトさん」
「ガクッ!・・・ダメなのね。何なの?」
「明後日の進路相談に保護者として来てくれませんか?」
火を止めるとエプロンのポケットから、今日貰ったプリントを手渡した。
「ああこれ?それならね。碇司令が行くことになったから」
「そう父さんが・・・えっええ!!?父さんが!?」
驚くシンジ、なぜにゲンドウがこの事をしっているのであろうか?簡単な答えである。諜報部。
「まあ驚く事も無理ないわ。その事で呼ばれて司令に会いに行ったのよ。てっきり私が行く事になると思っていたんだけど、司令が行くって言ったのよ」
「・・・・・・」
力無く肩を落とすシンジ、学校帰りに食べたお好み焼きの美味しい味は消えた。
「五月蝿いわね〜何騒いでんのよ?シンジ?」
「・・・・・・」
TVを見ていたアスカが騒ぎに腹を立てやって来たが、怒りをぶつけるシンジは白くなっていた。
「シンジ?ミサト、シンジどうしちゃったの?」
「さあ知らないわ。進路相談に司令が来るのが嬉しいのよ」
シンジがアッチの世界に行っているのをいい事にビールをあける。
「ふ〜ん、ファザコンシンジには良かったわね。私はもう大学出てるから進路なんてどうでもいいけどね。ミサト来てもいいわよ」
「アスカも司令よ」
「そう司令・・・・・し、司令?!!」
驚くアスカ、なぜにゲンドウがお節介?な事をするのだろうと思った。
「アスカは私かなと思ったのよね。そしたら相談日が同じじゃない、『チルドレンの大事な進路だ!私が行かなくて誰が行く』って力説してね決ちゃったのよ」
すでに二本目を空けた。
「す、するとファーストも?」
「そっ!」
「イ、イヤよ。何で私があのヒゲオヤヂと一緒に進路を相談しなくちゃならないのよ!そんなのシンジとファーストだけでいいじゃない!ミサトが来てよ」
今だアッチの世界に行っているシンジを横に、テーブルを叩きミサトに詰め寄る。
「ん〜ダメなのよね。司令がいなくなるから私が待機しておかないといけないのよ。それにいいじゃない、お義父さんになるんだから」
「なっ!なんでお義父さんなのよ!」
「あら〜それはアスカが一番知っているんじゃないの〜?」
「くっ・・・・バカミサト!」
ウインクをしてからかう。アスカは耳まで真っ赤にするとリビングに戻って行った。
結局その日、シンジはアッチの世界から戻って来たのは午前一時、夕食は店屋物となった。
そして悪夢?の日、シンジは朝から暗かった。
「シンジ〜どうしたんや?暗いで〜〜」
「トウジ、暗くはなるだろう、成績悪いんだからな」
「せやな」
「・・・・二人とも明るいね」
二人はいつも以上にハイテンションである。トウジはクラスメート誰もが気づかないがオニューのジャージ、ケンスケはいつもより高いカメラを持ってきていた。
「そりゃそうや、ミサトさんが来るっちゅうたら、明るくなるで」
「えっ?ミサトさん、何が?」
「何がってシンジ〜今日の進路相談に来るのミサトさんだろ」
「ミサトさんの私服・・・・・あ〜〜たまらんの〜〜」
鼻息を荒くする二人、まるで犬のようだ。
「・・・違うよ来るのは父さんだよ」
「「えっ・・・ええっ?!!!!」」
ユニゾンする二人、叫びにクラス中が振り向いた。
「な、なんでミサトさんがこんのや?」
「ウソだと言ってくれ」
シンジの胸倉を掴み涙を流すながら揺さぶるトウジ、ケンスケは叫ぶ。
「父さんが来るって言い出したんだ」
「な、なんやて〜あのオッサンは忙しいやろ?」
「だからかわりにミサトさんが本部に待機しているんだ」
二人はスローモーションで床に膝をつくと、瀧の涙を流し始めた。
「くううう、なんでや!せっかくオニューのジャージを着てきた意味がのうてもうた〜〜!!」
「この日の為に買ったカメラが!ローンが残っているのに〜〜〜!!」
世界が違う二人、それを見ていたヒカリは・・・・
「バッカみたい。アスカは誰が来るの?ミサトさん」
「私もシンジと同じよ」
頬杖をつき外をボーと眺めてため息をつく、これで何回目だろうか?
「へえ〜?珍しいのね」
「何とち狂ったか知らないけどね」
「ふ〜ん。じゃあ綾波さんも」
「そっ」
そうして騒がしい授業はあっという間に過ぎ、帰りのホームルームこの後進路相談である。その時、一人の生徒が外の異変に気がついた。
黒塗りの高級車を囲むように護衛車が十数台、学校の駐車場に滑りこむ。当然学校中が注目窓際に集まる。
「な、なんや〜?高そうな車やの〜」
そして黒塗りの高級車の後のドアが開いた。シンジはそれを見ていて思った。
(ま、まさか!・・・・)
ニヤリ!!
シンジの予想は的中した。降りたつやいなやゲンドウは注目していた第壱中生徒にゲンドウスマイルを披露。モロに受けた生徒全てが失神した。
「シ、シンジ・・・・・世界の平和の・・前に・・・オトンの顔を・・・・・どうにか・・・・して・・・く・・・・・・」
最後までしぶといトウジが気絶した。その日、第3新東京市の救急車は過去最高の出動を記録した。
その後、進路相談が始まった。教師の前に座るゲンドウ、普通の人間なら卒倒するであろう。だが老教師にはそんな事は関係ない。見えていないのであろうか?
さて進路は
シンジはゲンドウの隣りに座っていた事で、緊張しており内容が頭に入らないまま終わった。
アスカは・・・・本人の希望により公表を控える。
レイはシンジと一緒ならどこでも良いそうである。
こんなお父さん好きですか?(爆)人気があって?続編です。
ゲンドウは少ししか登場していませんけど、ニヤリ!だけでアピールできます(多く出すとjun16の精神砕かれます)
ちなみに次の日の壱中の出席率はシンジ、レイ、アスカの三人だけでした(笑)他は病院ね。
こんな小説?でも最後まで読んでくれた方々に感謝します。
NEON GENESIS: EVANGELION ゲンドウ改造さる!!